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大組織の末端ではなく、
自分が中心となって活躍できる場所を選んだ私は小さな頃から古い建物が好きでした。城や古民家などの木造建築を見るたびに「昔の人たちはどんな技術を駆使してこれを建てたんだろう…?」と興味津々。親にせがんで、よく城巡りに連れて行ってもらっていましたね。その関心が尽きないまま、大学では建築分野を学んで地域計画や街づくりを研究しました。
研究領域の関係から、大学時代の同期には自治体や大手ゼネコンに就職した人もたくさんいます。ただ私は「自分を成長させるために中小企業で働きたい」と考えていました。大組織の末端で働くのではなく、自分が中心となって活躍できる場所へ行きたいと思っていたんです。就活では40社ほどにエントリーし、その過程で出会った川木建設の経営理念が私の思いに真正面から応えてくれました。「仕事を通じて自己実現をはかり、自分自身の成長と会社の発展を一致させる」。選考ではこの言葉通り、人材の成長にしっかりと投資していることを知り、上辺だけの理念ではないのだと実感。私の志望先は川木建設だけとなり、「ここで成長機会をつかみたい」という強い思いとともに入社しました。
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10年選手になっても「まだまだ」。
果てしない施工管理の追求入社後は希望通り、建物の施工管理を担う工事部へ配属。1年目から現場監督の仕事を経験し、マンションやビル、商業施設など中規模の建築物を中心に、これまで30棟以上を担当してきました。気づけばキャリア11年になりましたが、今でもこの仕事は本当に難易度が高いと感じています。特に難しく、そして最も面白いのが計画立案。立地や環境によってまったく条件が異なる中、設計図とにらめっこをしながら、それぞれの現場に合わせて計画を立てていかなければいけません。
そして現場では、5大管理といわれる「安全」「品質」「工程」「原価」「環境」のすべてに配慮して工事計画を進めていきます。やり方が少し違うだけでも効率は大きく変わるし、会社としての利益も雲泥の差になる。現場監督の力量が明確に反映されるわけです。これらを高いレベルで追求していく道は果てしなく、「10年選手といっても自分はまだまだ」と感じる日々。だからこそ、この仕事に飽きることはないんです。経験を積み重ね、どんどん効率よく、より良いものを作れるようになっていく。まさに私が求めていた成長機会がここにはありました。
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真剣だからこそ意見がぶつかる。
苦労の先に実感した「本当の醍醐味」過去には大きなプレッシャーに襲われ、くじけそうになったこともあります。私が一級施工管理技士の資格を取得して現場代理人(責任者)を務めるようになったばかりの頃、特殊な設備を擁する建物を担当することになりました。川木建設が設計・施工を一貫して任されていた現場で、社内では施工を担当する工事部と、設計を担当する工務部の意見がぶつかり合うこともしばしば。私はそれまでに味わったことのないストレスも感じていました。どちらの部署も「良いものを作りたい」と真剣に考え、図面の細部や、現場での計画立案・進行に魂を込めています。時に議論が紛糾すると、「どちらの声に従えばいいんだろう……?」と悩んでしまうこともありましたが、「お客さまの思いを実現する」という最上位の目標に向かって意見をまとめていきました。
そして私自身、どんなに大変な状況でも、逃げることだけは絶対にしませんでした。関係者とのコミュニケーションを重ね、現場の協力会社さんたちとも意思疎通を図り、最終的には本当に素晴らしい建物が完成。引き渡しの際には先方の社長が「川木建設にお願いして、本当によかった」と涙ながらに言ってくださりました。苦労が実を結び、やりがいが形となって現れる。この仕事の本当の醍醐味に触れた瞬間でした。
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さらなる成長を目指し、新たなプロジェクトの発起人に
私は現在、川木建設のクオリティに再現性を持たせるための取り組みも進めています。これまで口頭で伝承されてきた知恵や、図面には反映されない現場のこだわりなど、暗黙知となっているノウハウを誰でも再現できるようにするためのプロジェクトチームを発起人として立ち上げたんです。設計・施工の両部門を横断し、それぞれの部門トップと連携しながら新たな基準作りに奮闘しているところです。
背景には、「自分たちはもっともっと成長していかなければならない」という危機感に似た思いがあります。現在は少数精鋭で、工事部の中でも現場代理人を務められる人は両手で数えられる程度。会社としてはさらに現場数や規模を拡大していく計画を立てており、若手の早期育成がこれからの事業成長を左右するでしょう。社長の鈴木はよく「建物をつくる前に人をつくらなければならない」と話していて、私も強く共感しています。足元の小さな積み重ねが、5年後、10年後に大きく花開くはず。そんなワクワク感に、私自身の成長欲求もまた刺激され続けています。