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現場監督から営業へ。想定外の異動で気づいた自らの「力」
私は2023年度から、不動産売買の仲介を担う不動産事業部と、注文住宅を専門とする住宅事業部の部長を兼務しています。しかし当初から不動産の領域に身を置いていたわけではありません。ものづくりを志向していた私は、建築系学科を卒業し、施工管理の仕事をするために川木建設に入社。以来、現場監督としてマンションや病院、工場、複合施設など、さまざまな案件を担当してきました。
転機が訪れたのは入社13年目。予想だにしていなかった、不動産営業職への異動を打診されたんです。現場監督の仕事に誇りを持っていたので、異動に不満がなかったかと言えば嘘になります。現場監督から営業へ移る例は少なく、不安もありました。しかし新たな場所で一から業務を学び、不動産売買のお客さまに感謝される中で、「意外と自分はこの仕事を楽しめているな」と感じるようになりました。現場監督時代、施主さんや協力会社さんと良好な関係を築くために磨いてきたコミュニケーション能力も活かされたのでしょう。当時を振り返って私は、「現場を一人前に動かせるようになればどの仕事でも通用する」とメンバーに語るようになりました。
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営業に求められるのは「お客さまの人生に片足を踏み込む」こと
不動産営業と聞くと、成約に至るまでとにかく粘る「ガツガツ営業」をイメージするかもしれません。しかし川木建設では、営業としての自分の成果だけを追い求めてもうまくいきません。お客さまにとって、家は人生で最も大きな買い物の一つ。表面上のやり取りだけで売買の契約など結べるはずがなく、営業にはお客さまの人生に片足を踏み込む真剣さと気概が求められます。
数千万円規模の家を購入するにあたって、ほとんどのお客さまは住宅ローンを組みます。そのプロセスでも私たちは現実を直視し、お客さまと真剣に向き合います。せっかく素敵な家が建っても、後々ローンの返済に苦しむようでは元も子もありません。だからこそお客さまの年収や資産状況にも踏み込んでヒアリングし、将来に向けたライフプランをともに考えます。地域に根づいている川木建設が、自分たちを通じて家を建てる人を不幸にするわけにはいかない。その信念があるから、私たちは成約までの商談ではなく、その後のお客さまの幸せを重視しているんです。
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2年間で二度の「敗北」。
悔しさを共有するお客さまと見つけた理想の家一人ひとりのお客さまと長期的な関係性を築いているのも川木建設の特徴かもしれません。たとえば私が担当したあるお客さまとは、理想的な家が見つかるまで、実に2年間にわたってやり取りを重ねました。そのお客さまは人気エリアで中古戸建物件を探していたのですが、いざ物件が市場に出てもすぐに他の買い手が付いてしまう状況でした。2年間で2回、大きなチャンスがあったのですが、そのたびに先を越され、お客さまと一緒に悔しい思いをしていました。
「何とかしなければ」と思っていた矢先、再びお客さまの希望に見合う物件を発見。すぐに連絡をして、「チャンスなのでこれからすぐに内見へ行きませんか?」と提案しました。普通なら、お客さまの都合も考えずに無茶なことを言う営業だと思われるでしょう。しかし私たちの間には「一緒に最高の家を見つけたい!」という目的があり、信頼関係が生まれていました。「齊藤さんがそう言うなら、すぐに行きます」と応じてくださったお客さまとともに、その3時間後には物件へ。何の迷いもなくその場でお申し込みをいただきました。このときは営業として「売れてよかった」という感覚は一切なく、ただひたすら「理想の家が見つかってよかった」と安堵しましたね。
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アウェイの領域へ飛び込んでいくことの大切さを伝えたい
こうした経験をもとに、私は不動産事業部・住宅事業部の部長として「住まいの夢のコーディネーター」というビジョンを掲げました。今後は後輩メンバーそれぞれが高いレベルで仕事を自己完結させ、責任を持ってやりきり、お客さまの夢をかなえられるようにしていきたいと考えています。若いメンバーの多い両部門ですが、一人ひとりの自律性を大切にし、お客さまのために思いきって行動してほしいと期待しています。
同時にメンバーへは、未経験の分野へ、自分にとってアウェイの領域へ飛び込んでいくことの大切さも伝えていきたいと思っています。私自身は現場監督から営業に転身し、新しいフィールドを知ることで一気に成長できた実感がありますし、大きな自信を得ることもできました。今は不動産と住宅の領域ですが、どんな領域であっても頑張りたいし、頑張れる自信もあります。ただ漠然と「ものづくりがしたい」と考える学生だった自分が、「どんなポジションでもやってやる」という強い思いを持ち、地域と人の幸せに貢献できるようになりました。川木建設という会社を選んで、本当によかったと思っています。